自分を成長させるためには何が必要か。コミュニケーションの視点から。

頭が良い人を思い出してくださいと言われ、どなたを思い出しますか?

その選考基準の一つに学歴があると思います。有名塾講師の〇先生、神脳の〇〇さん、〇〇王に出演されている方々など、驚くほど頭が良いと思う人はたくさんいます。しかし、だからといって彼(女)らの言うことが全て正しいとは言えません。にもかかわらず、「この人が言うから間違いない」と思ってしまう人も多くいます。

 

 

コミュニケーションとは難しいものです。

 

「頭が良いと思う人を思い出して」という話題中だけでも、「頭が良い人」の定義を決めなければ、その話題における共通の理解は得られません。

「Aと伝えたつもりがBと受け止められていた」というように。

 

自分の意図をなるべく正確に誤解なく伝えるためには、そのキーワードの定義を明らかにすることです。例えば、「緊急事態宣言が発令された」といっても、そもそも「緊急事態宣言」の定義を明らかにする必要があります。これら共通言語に関する定義の共通理解がなければ、どれだけ話をしても一方通行になりかねないのです。

(蛇足:漢字は表意文字(字そのものに意味がある)なので、なんとなく意味が想像しやすいが、カタカナあるいは英語などの表音文字(文字そのものには意味がなく、音を表す文字でしかない)は意味推測ができず、言葉そのものの意味を知っておく必要がある)

※政府の緊急事態宣言を批判するものではありません。

 

しかし、友人とただ雑談をするときには、定義を明らかにしないまま話すことのほうが多くあります。むしろ、話題の勘違いが生じたほうが、後から笑い話になるといったことさえあります。

つまり、話題と相手によってコミュニケーション(ここでは言葉使いの他に表情などの非言語的コミュニケーションも含むものとします)のとり方を変える必要があるということですね。

 

特に子どもと話すときは要注意です。

子どもは、大人と比較して相対的に経験と知識が少な(い場合が多)く、何でも聞いてきます。ときには「そんなこと考えたこともなかった」というようなことさえも聞いてきます。このような質問をされたときに、その人の誠実さが問われると個人的には思っています。

「うるせぇ、昔からこうなんだ」とか、「俺(私)にそんなこと聞くな」とか、とにかくつっけんどんに対応するのは如何なものかと思うわけです。

そもそも、子どもに対して大人(親)が感情的にムキになるということそのものが、もしかすると誤りかもしれませんね。脳の成長という観点から見ると、子どもは大脳皮質は成長過程にあります。より大脳皮質が発達している大人が柔軟に対応せず、思考力の高い後世を残せるでしょうか?(DLPFC:背外側前頭前皮質の成長は20代後半まで成長。40代から機能低下し始めると言われる。脳部位の中で一番遅く成長し、一番早く機能低下しはじめる。)

 

感情は素晴らしいものです。犬猫などの動物でも感情はありますが、喜怒哀楽を言語化し表出できるのは人間の特権です。それを他の人とわかちあえるのですから。

 

感情に生きるのは生き物として素晴らしいことである一方、理性と知性も含まれていなければ、感情は醜くもなります。特に言語化できる人間は、より一層醜態をさらすことになってしまいます。人間にとって感情は諸刃の剣ともいえます。

 

では、どのようにすれば自己の成長を促せるのか?

 

自分自身を客観的かつ多面的に捉えることができる、いわゆるメタ認知することが、自分の今後の成長課題を見つけられる一つの手段ではないでしょうか。